ファイナンシャルインベストメント(Financial Investment)とは、保有する資産を運用して増やしていくことです。
資産運用という面ではアセットマネジメント(Asset Management)と同じです。
ファイナンシャルインベストメントでは、ファイナンシャルプランニングで明確になった資金計画を実現するのが目的で、銀行に眠っている預金を株式や債券等の金融商品、あるいは不動産などに投入して、確実に資産を増やしていきます。
ファイナンシャルインベストメントで求める利益(リターン)には「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の二つがあります。
「キャピタルゲイン」というのは、購入した商品の売買取引で生じる差益のことで、「インカムゲイン」というのは商品を保有している間に得られる(配当や利息などの収入)などです。
「キャピタルゲイン」では売買の「タイミング判断」が、「インカムゲイン」では保有し続ける「時間管理」がポイントになってきます。
ファイナンシャルインベストメントでは、購入したした資産が損失を出すこともありますが、トータルでは絶対に資産が目減りしないように適切なポートフォリオを組んで資産を分散させることも重要です。
ファイナンシャルインベストメントは、ファイナンシャルプランニングを実現するために行うものなので、取り組む前にファイナンシャルプランニングが構築されていることが必要です。
1.株式投資
会社が発行する株式を購入し、その会社が業績に応じて分配する配当金を受け取ったり、株価の上昇で生じた売却益を得る投資方法です。
株式投資は、株価が上昇すれば売却益が期待できますが、下落すると損失を被ります。
しかし、会社が倒産しない限り、株価がゼロになることはありません。
2.債券投資
政府や企業などが資金調達のために発行する債券を購入して、「利回り」という利息収入を得る投資方法です。
先進国や優良企業が発行する債券は比較的安心して保有できますが、開発途上国の国債などは国家破綻で紙屑になる恐れもあります。
なので、開発途上国が発行する国債は先進国が発行する国債より利回りが良いのが一般的です。
3.投資信託
投資信託は、複数の投資家から集めた資金を、ファンドマネージャーが運用する金融商品です。
株式型、債券型、バランス型などの種類があり、少額でも分散投資ができることから初心者にも適しています。
株式や債券など複数の資産を組み込んで分散投資するため、個別株を購入するより安全ですが、保有している期間は信託報酬という手数料が必要なので利回り自体はさほど高くありません。
価格(基準価額)が下落することもありますが、プロが運用するので大きく値崩れすることはありません。
4.外国為替証拠金取引(FX)
為替レートの変動を利用して売買差益を受け取る先物取引の一種です。
証拠金を預ける必要がありますが、その証拠金の何倍もの外貨を売買することができます。
短期間で大きな利益を得ることができる反面、損失が証拠金を超えた時点で強制決済され全てがゼロになる取引です。
5.先物取引
元々は、収穫時にならないとその年の収入が決まらない農家の、収入を安定させたいという思惑と、その相手方になってひと儲けしたいという相場師の間で始まった取引です。
あらかじめ設定した日に、設定した価格で取引することを約束し、設定日になったら現実の価格で決済する取引です。
約束した日の価格より決済日の価格の方が上昇すれば、現実の価格より安く買う約束をした買い手は利益を得ることができますが、安く売る約束をしてしまった売り手は損失を被ります。
現在は農作物に限らず、金属や石油なども先物取引の対象になっています。
また、日経平均先物のように指数と呼ばれる「数値」を対象とした先物取引もあります。
先物取引もあらかじめ証拠金を預ける必要があり、損失が証拠金を超えた時点で全てがゼロになります。
ちなみに、外国為替証拠金取引(FX)も先物取引の一種です。
6.オプション取引
オプション取引は、商品を取引するのではなく、商品を売買する「権利」を売買するものです。
「売る権利」「買う権利」をそれぞれ売買するので、4種類のプレイヤーが存在する少し複雑な取引です。
参入するには、高度な知識が必要ですが、先物取引を行うプレイヤーにとってはリスク管理の面で不可欠な取引手段です。
7.不動産投資
アパートなどの集合住宅、貸家向けの戸建て住宅、投資用マンション、雑居ビルなどの不動産を購入して賃貸収入を得たり、地価の上昇などで購入時より価値が上昇した物件を売却して売却益を得る投資方法です。
初期投資が高額になりがちなことと、物件の管理に手間や費用が掛かることから注意が必要です。