医療保険は必要ない?
保険は発生頻度が低くて、発生したら多額の費用が発生するものを担保するためのものです。
高確率で発生することが予想されているものを保険で手当てをしようとすると、保険料が恐ろしく高額になります。
したがって、「一生涯の保障」を宣伝文句にしている医療保険には絶対に加入してはいけません。
人は必ず老いるものです。
あらかじめ絶対に支払いが発生することが分かっているのに、そのお金をわずかな掛け金(保険料)で面倒みてくれるほど保険会社はお人好しではありません。
高齢者は、若い時から何十年も保険料を払い続けているか、高い保険料を承知で加入しているかのいずれかです。
したがって、よほど早く病気にならない限り、保険金で元が取れることはありません。
金融の世界はそういうものです。
しかし、若い人は別です。
近年、若い人が長期入院するケースは減ってきました。
60歳未満の人が入院しても、70%以上の人が14日以内に退院していますし、そのうちの約60%が7日以内に退院しているというデータがあります。
この程度の入院でしたら、医療保険に頼らなくても何とかなるのではないでしょうか。
問題なのは入院が長期化したときです。
確率的には低いものの、長期入院するとそれなりの費用負担が発生します。
したがって、若い人こそ医療保険に頼ることを検討すべきでしょう。
ただ、長期入院といっても、保険金が無制限に支払われるわけではありません。
その限度は保険商品によって異なりますが、1回の入院で60日までしか保障しないとか、180日以内に同じ病気で再入院した場合は「継続した1回の入院」として扱うなどの条件が付いているのが一般的です。
また、「継続した1回の入院」でなくとも、通算で例えば700日とか1095日までしか支払わないという「通算支払限度日数」が定められています。
なので、入院日額10,000円の医療保険に加入していた場合、保険会社から受け取ることが出来る保険金の限度は約1,000万円だと考えておいた方が良いでしょう。
したがって、不測の事態に1,000万円が用意できるのであれば、年齢に関係なく医療保険は不要です。
ちなみに、医療費は病院からの請求に応じて支払うので、1,000万円を一度に用意する必要はありません。
医療保険は被保険者(加入者)本人限定
医療保険は、被保険者(加入者本人)の医療費を担保する保険です。
本人しか使えません。
したがって家族の入院費も保険で備えようとすると、それぞれが医療保険に加入する必要があります。
4人家族であれば、4人がそれぞれ医療保険に加入するわけです。
いったい、いくらの保険料を毎月払うのでしょうか?
保険料を安くしたいという理由で、家族それぞれの入院日額を変えている方も見受けられます。
例えば、お父さんの入院日額を2万円、お母さんを1万円、子どもを5,000円などです。
しかし、医療費は誰が治療を受けても大差ありません。
例えば、盲腸の手術費用が、お父さんと子どもとでどれだけ異なるでしょう。
家族全員で保険に加入するなら、金額設定も同額にすべきです。
家族が同時に入院するケースは非常に稀なことです。
しかし、そういったレアケースにおいても1,000円が都合できれば保険は必要ありません。
もちろん、家族全員で行動しているときの交通事故や食中毒は、家族全員で入院することも想定されます。
しかし、こういったケースでは相手方(加害者)が存在するので、お金の心配は必要ありません。
医療保険と所得補償は別物
「お父さんが仕事を休んだときの収入をするために高額な医療保険に入る」という考え方は誤りです。
収入補償を担うのは「所得補償保険」であって「医療保険」ではありません。
保険の目的が違うので、保険の種類も違います。
当然、保険料も違います。
医療保険 → 入院・手術などの「医療費」を補う
所得補償保険 → 仕事を休んだときの「収入」を補う
サラリーマンであれば、有給休暇や健康保険からの給付などがあるので、所得補償保険の加入にあたっては、そのあたりも勘案することをお勧めします。
くどいようですが1,000万円がすぐに都合できるのであれば、医療保険は不要ですし、所得保障保険も要らないでしょう。
保険料相当額を運用資産に移して、どんどん資産を膨大させてください。
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