インターネットビジネスが本格的に始まったのは2000年前後です。
それまでは、光回線などは無く、NTTの固定電話回線を差し替えて使っていたので通信速度が遅く、動画はもちろんのこと綺麗な画像もファイルが重くて使用できませんでした。

そこに、ISDN(INS64)という、1回線の契約で電話とインターネットを同時に使用できるデジタル回線が登場して、通信速度がそれまでの約2倍になりました。
その後、ADSLというインターネットに常時接続できるサービスの登場したことで、インターネットが一般家庭にも普及し始め、個人でもウェブサイトを作成できるようになりました。

そして、新しいビジネスの形態が誕生し、多くの人がオンラインで収益を得ることを目指すようになりました。
この時期に盛んだったのは、ドメイン売買やネットオークションを使った転売です。
個人が副業的に取り組みやすいビジネスとして注目されました。

1.ドメイン売買

1.ドメイン売買
ドメイン名の取得は早い者勝ちですが、当時の企業がオンライン進出するにあたり、短く覚えやすいドメイン名を求めたことから、ドメイン名はが貴重な資産と見なされていました。
そこで、インターネットの将来性を予見していた個人がドメイン取得サービスを利用して、人気が出そうな単語やフレーズに.comとか.co.jpが付いたドメインを大量に取得したのです。
これをオンライン上で転売していました。

2.ネットオークション・転売

オークションでは今でも主流なのが1999年にサービスを開始した「Yahoo!オークション」です。。
主婦や学生をはじめ、手軽に副収入を得たいと考える人の間で流行ったビジネスです。
身の回りの不用品を販売することから始まり、その利益で仕入れた商品を再販する「仕入れ型転売」に移行するのが一般的でした。
「仕入れ型転売」のことは「せどり」と呼ばれることもあり、ヤフオクを使って転売する「ヤフオク転売」という言葉も流行りました。

2000年には「Amazonマーケットプレイス」というサービスが登場し、個人や個人事業主が海外から仕入れた安価な商品を販売する「ネット転売」の主戦場の一つとなりました。

次に出てきたサービスが2013年にスタートした「メルカリ」などのフリマアプリです。
フリマを使った売買は、スマートホンの普及に伴って爆発的に広まりました。

3.アフィリエイト

ウェブサイトやブログに広告を掲載して、読者が広告を通じて商品を購入することで成果報酬を得るビジネスモデルです。
扱う商品によって物販系アフィリエイト、情報系アフィリエイト、オプトインアフィリエイトなどがあります。

Amazonは本国のアメリカでこのサービスを1996年から実施していて、2000年に日本に進出してきました。
時を同じくして、A8ネットといった日本企業もサービスを開始しています。
これらは全て物販系アフィリエイトです。

情報系アフィリエイトというのは、PDFやCD-ROMなどで提供される電子書籍をウェブサイトやブログで紹介して成果報酬を得る仕組みです。
オプトインアフィリエイトでは、読者が商品を購入する必要はなく、メールアドレスなどを情報登録してくれただけで成果報酬が支払われます。
いずれも、当初はウェブサイトやブログで紹介されていましたが、後にメールマガジンで紹介することが主流になってきました。
昨今では、主流の媒体がメールマガジンに代わってSNSになっています。

3.広告収入

2003年にGoogle AdSenseが始まって以来、現在に至るまで多くの人が取り組んでいます。
ウェブサイトやブログを運営し、そこに貼られている広告がクリックされると成果報酬が得られる仕組みです。
広告収入を得る方法としては、YouTubeに動画を公開して、動画再生時に流れる広告の再生回数に応じて成果報酬が得られるというビジネスモデルもあります。

4.コンテンツ販売

1999年にメルマガ配信スタンドの「まぐまぐ」が有料メルマガのサービスを始めました。
有料メルマガは、Youtubeを始めとする動画プラットフォームの台頭によって一時と比べると下火になりましたが、専門性の高い分野に関しては、今でも有料メルマガが使われています。
ちなみに、2014年には「note」が有料メルマガの配信サービスを始めました。

2003年には「インフォトップ」がデジタルコンテンツの販売サポートを開始しました。
自己啓発、ビジネスノウハウ、投資関連、美容・ダイエットなど、様々なジャンルの情報商材が今でも扱われています。

Amazonは、2012年から電子書籍の出版サービスを行っています。

コンテンツ販売で扱われている商品は、書籍やノウハウ物だけではなく、語学やスポーツのオンライン講座やロゴやWEBサイトのデザインなど多岐にわたり、スマートホンの普及で近年需要が増加しています。
特に通勤時間や作業中に「ながら聞き」ができる音声コンテンツや、寝る前などに視聴できる動画コンテンツが人気を集めています。

5.これからのインターネットビジネス

インターネットの世界は日々進歩していますし、日々変化しています。
したがって、今後どのようなビジネスが生まれてくるかを予見することはできません。

しかし、ビジネスが商品を提供して対価を受け取る行為であることに変わりはありません。
目先の手法が変わってもビジネスの本質自体は同じです。
なので、インターネットビジネスの歴史を知っておくことは、これから生まれてくるビジネスの流れに乗るためには意味のあることです。

ここで紹介したビジネスモデルを深堀りすると、一時的に流行った手法がたくさんあります。
少しアレンジすると今でも使えるテクニックが歴史の中には眠っています。

すべてのビジネスには必ず導入期、成長期、成熟期、衰退期というライフサイクルがあります。
この導入期の後半から成長期の前半に参入できるよう、過去を学びながら未来に向けて意識のアンテナを張っておく必要があります。